診療内容

レーザー治療

レーザー治療について

近年はアレルギー性鼻炎が増え、現在では1500万人以上の方がアレルギー性鼻炎に苦しんでおられます。

まさに国民の5人に1人がアレルギー性鼻炎をお持ちだと言う計算になります。当院ではこれらの患者さんに対してレーザー治療を積極的に行なっていきます。


アレルギー性鼻炎には大きく分けて、ハウスダスト・ダニなどに代表される一年中症状の出る通年性のものと、スギ・ヒノキなどによる季節性のものとがあり、季節性の中で特に花粉によるものを俗に花粉症と呼んでいます。
患者さんの中にはアレルギー性鼻炎と花粉症は別のものと思っていらっしゃる方も結構おられますので、誤解のない様お願いいたします。

  • 処置は毎年受けて頂く事も可能で、小学生でも受けられる手術です。
  • 鼻の粘膜を焼灼する事によって、かさぶたが剥がれて新しい粘膜になる事により、花粉症に対する反応が鈍くなります。
  • レーザーは本来、鼻閉(鼻づまり)の治療です。
  • 鼻汁やくしゃみには鼻閉に対する効果ほどは効果が認められません。また、鼻水やくしゃみのひどい方は鼻水やくしゃみが止まらなくなるため、レーザー治療が出来ないこともあります。
  • 効果は数年間内服無しで過ごせる方から、あまり効果を感じられない患者様まで様々です。
  • レーザー治療は症状を緩和させる治療で、完治する事はありません。
  • 花粉症状のきつい時は内服との併用をお勧めしています。
レーザー治療当日

①  麻酔のスプレーをした後、麻酔を浸したガーゼを鼻の中に入れて10分待合でお待ち頂きます。

※麻酔の注射はしませんが、睡眠不足や体調不良だと気分が悪くなる恐れがあります。

②  内視鏡にて観察しながら鼻の奥まで処置します。

片側5分ずつ、両方で10分程で、出血はほとんど無く、痛みでレーザーを中止した前例はありません。

③  術後はガーゼを入れる事もなくそのままお帰り頂きます。

※麻酔の影響で誤嚥の恐れがあるので、1時間程は飲食を控えて下さい。

④  当日は激しい運動・飲酒・長風呂・強く鼻を咬むなど出血の原因となる恐れのある事は控えて下さい。

⑤  数日間は鼻汁・鼻閉の症状が強くなるので、3日間睡眠前にお薬を服用して頂きます。

念の為に痛み止めも頓服でお渡ししていますが、痛くなければ飲まなくて結構です。

⑥  術後徐々にかさぶたが剥がれて出てきますが、無理に取ると鼻出血の原因になります。

鼻の一番奥にあるかさぶたの除去と癒着などの確認の為、必ず1週間後に再度受診して下さい。

注意事項

レーザーは水に吸収されるので、鼻汁が多いと受けて頂く事はできません。
また、風邪を引いたり花粉症の症状が出て鼻水やくしゃみが多いと、たとえご予約を頂いていても手術は出来ませんので、くれぐれも体調管理をなさって下さい。
術後症状が悪化するので、花粉症の症状が出る2週間前までには手術を済ませて下さい。

以前麻酔のお薬で異常のあった方は必ずお申し出下さい。

レーザーは予約制です。

治療費は保険適用されており、3割負担の方でも9,000円程度です。

レーザー治療をご希望の方はまず一度受診して頂き、手術可能かどうか決定いたします。

喘息発作や高血圧などの基礎疾患をお持ちの方や、鼻中隔弯曲症(鼻の左右を仕切る骨が曲がっている)の強い方(鼻炎の場合)、中学生以下の方などで手術不能と考えられる方、あるいは(元々鼻炎がひどいなど)手術での治癒が見込めない方などは治療をお断りする事がございますのであらかじめご了承ください。

ダイビング障害

私は以前石垣島の県立八重山病院に勤務し、数多くのダイバーの治療にあたった経験があります。
私自身もダイバーとして300本以上のダイビング経験を持っており、ダイバーの立場に立ったアドバイスをさせて頂くことができるかと思います。


耳鼻咽喉科領域はダイビングと関連することが非常に多いものです。
最近は花粉症などアレルギーを持ったダイバーも多く、「無理をして潜ってはみたけど、苦しくて・耳も痛くて大変だった」というご相談も受けることがあります。

耳抜きのしづらい方は案外耳抜きが単に上手にできていない場合も多く、検査にて確かめることが可能です。そういう方は簡単な装具による耳抜きの練習で改善できることもあります。


またアレルギー性鼻炎をお持ちの方が多く、そういう方にはレーザー治療が有効ですので一度ご相談ください。


これからダイビングを始めようと思っておられる方は、安全・快適なダイビングのためにも、今のお体の状態がダイビングをするのに適正かどうか、事前に診察を受けていただくことをおすすめいたします。

以下の方は特に、それ以外でもダイビングに関する事でしたらお気軽にご相談ください。

次のような症状がある方、是非お早めにご相談下さい。

  • ・ダイビング中に、耳抜きが上手にできなかったまま潜降し、今も耳に痛みがある
  • ・難聴がある
  • ・浮上してよく鼻血を出す
  • ・花粉症などアレルギー性鼻炎を持っている
  • ・ダイビング後より難聴がある
  • ・昔中耳炎をしたことがある
  • ・ダイビング後めまいや手足のしびれがある
  • ・鼓膜に穴があいていると言われたことがある
  • ・いつも耳抜きがしづらい
  • ・飛行機に乗るといつも耳が痛くなる
  • ・額や頬が痛く浮上できなかった
  • ・扁桃腺がよく腫れる
  • ・耳鼻科疾患の有無ははっきりしないが、耳の調子が思わしくない

当院でよくみかける難聴を伴う病気について

突発性難聴

突発性難聴とは、文字通り突然前触れなく耳が聞こえなくなる病気です。

 

①  原因

明らかな原因は不明ですが、内耳の血流が悪くなる循環障害やウイルス感染、ストレスなどが考えられています。

②  症状

ある日突然に発症する難聴、耳づまり感、耳鳴りが主な症状です。めまいを伴うこともあります。ほどんどの場合は片側だけにおこります。

③  治療

治療法は飲み薬が中心です。副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)、ビタミン剤、血流改善剤などを処方いたします。
できるだけ早期に、遅くとも2週間以内に治療を開始することが大切です。

④  治りますか?

約6割の方が改善すると言われていますが、完全に改善しない方もおられます。できるだけ早く治療を開始した方、難聴の程度が軽い方のほうが治りやすい印象があります。

急性低音障害型感音性難聴

急性低音障害型感音性難聴とは、低い音のみ聞こえが悪くなる病気です。突発性難聴と異なり、若い方に多く症状を繰り返しめまいはともなわないのが特徴です。

 

①  原因

耳の奥の内耳にある音を聞き取る、蝸牛という部分にあるリンパ液が何らかの原因で水ぶくれ(内リンパ水腫)を起こし、それにより症状をひきおこすと言われています。
内リンパ水腫が起こる原因ははっきりとはわかっていませんが、ストレスや疲労などが原因と考えられています。

②  症状

耳づまり感が最も多く、自分の声や音が響く、低い音の耳鳴りなどが多いです。

③  治療

突発性難聴とほぼ同様の治療を行います。内リンパ水腫を改善させるためにイソバイドといわれる利尿剤を用いることもあります。

④  治りますか?

多くの場合数日から数週間程度で改善しますが、人によっては長引いたり再発することもあります。

どちらの病気もストレスや疲労が原因と考えられているので、
生活でのストレスを溜めないような生活を心がけることが大切です。

お子さんの中耳炎について

お子さんの7割がかかると言われており、非常にありふれた病気です。お子さんの中耳炎は急性中耳炎と滲出性中耳炎に分けられます。

急性中耳炎

かぜをひいたときに、のどや鼻にいるウイルスや細菌が鼻と中耳をつないでいる耳管を通って中耳に感染を起こします。

 

①  原因

お子さんの耳管は大人に比べて太く短く、鼻と耳との傾斜が水平に近いので中耳炎をおこしやすいと考えられています。ですから成長して耳管が細く長くなってくると、中耳炎になりにくくなります。

②  症状

耳の痛み、発熱が非常に多く、小さいお子さんは自分で痛みを訴えられず、耳をよくさわる、不機嫌、夜泣きなど。鼓膜が破けると耳垂れが出てきます。

③  治療

まずは原因となる鼻やのどの治療が大事になります。とくに鼻の奥の鼻水を吸引してあげて耳管の換気をよくしていきます。換気がよくなると中耳炎も改善していきます。必要に応じて適切な抗菌薬を使うこともあります。

滲出性中耳炎

中耳に液体がたまる病気です。お子さんでは3歳ごろから10歳ごろまでに多く見られます。子供の難聴の原因では一番多いものです。

 

①  原因

一番多いのは急性中耳炎が十分に治りきらずに、鼓膜の内側に膿〈うみ〉が滲出液となって残ってしまう場合です。
普通、中耳炎の膿は中耳の粘膜から吸収されたり、中耳と鼻の奥をつないでいる耳管をとおって、のどのほうに排出されます。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻の病気や、のどに慢性の炎症があったりした時は耳管の働きが悪くなり、滲出性中耳炎になりやすくなります。

②  症状

多い症状は軽い難聴や耳がつまる感じですが、お子さんは自分で症状を訴えることがあまりないので、「返事をしない」「テレビの音が大きい」といったケースで気づかれることがほとんどです。

③  治療

中耳にたまっている滲出液をなくして聞こえをよくするための治療と、耳に悪い影響を与えている鼻やのどの病気に対する治療とを並行して行うことが大切です。

 

耳に対する治療では、病気の程度が軽い場合には薬による治療や、鼻から耳に空気を送る耳管通気〈じかんつうき〉という処置を行います。
以上の治療で3か月以内に改善することがほとんどですが、たびたび滲出性中耳炎をくり返したり、長期にわたり改善しない場合は、鼓膜にチューブを入れる手術を行うことがあります。